平日を狙って、東博の顔真卿さま展覧へ行ってきました。
王羲之、顔真卿、褚遂良など、始皇帝の時代から清王朝までの書を、全部見れたので、大満足です。
去年までは東博の翻訳を長らく担当してきたが、博物館側の校正者と合わないと感じ、身を引きました。
自分の訳文に、必要のない「所」「並」がいつも足されていたのです。
それで、今回の特別展の解説は、私が担当していません。ついつい中国語文をチェックしてしまうのが、本当に悪いクセです。
このような中国語文がありました(大体)。「秦始皇命令李斯把以往的大篆字體簡化為小篆,成為統一的文字。」
何度読んでも違和感があったので、よくよく考えてみれば、前の文の主語が始皇帝なのに、後ろの文の動詞が「成為」になっているからです。「成為」→「確立為」にすれば、よくなりませんか。
冒頭のあいさつなのに、少し残念。
そして、「頗」の乱用。
「頗」の度合いは、「とても」でありながら、最高点には達していないはずです。
ある紹介文の最後に、日本語の「興味深い。」に対して、「頗有意思。」と訳されていて、このような重厚で偉大な作品を前にして、やや重みを欠ける印象でした。
辞めたからこそ見える、言葉のアラでした。
今宵は習字です。
